玄米七徳










玄米七徳

●咀嚼機能をたかめる
 咀嚼筋、咽頭筋を強くし、唾液分泌により口腔内細菌叢も良好にたもち、高齢者では嚥下障害や嚥下性肺炎を予防します。認知機能にも好影響が報告されています。小児期の玄米食は顔貌の形成に影響し、歯列もきれいに育ちます。

●便秘の解消
 玄米の食物繊維やγオリザノールなどは腸内細菌叢を良くし、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの短鎖脂肪酸産性菌を増やします。酢酸は腸内の悪玉菌の増殖を抑えます。酪酸は大腸がん予防や精神機能にも影響します。便秘のないことは腸管から毒素などの排泄を良好にし、皮膚の美容にも関係します。腸内細菌の構成により免疫能を保ち、感染症の発症をおさえます。

●健康長寿
 玄米食はそれだけで栄養をまかなう完全食で腹持ちもよいので無駄な過食を防ぎ、肥満になりません。肥満はメタボリックシンドロームに始まる高血圧、糖尿病、脂質異常症のもとになります。もち肌や病気にならないことで高い健康感が保てて、生活に張りあいがでます。しっかり食事をすることでサルコペニアやフレイルといった老年症候群も予防でし、認知症予防にも役立ちます。

●日本食
 何百年も磨かれてきた日本食は米が主食となっています。ユネスコの世界遺産に登録されたように、和食は日本が誇れる文化です。味噌、醤油、出し汁などの調味料は米と合うものです。おにぎりのよさも世界に広まっています。

●家計に役立つ 
米は1kg300円くらいから高くても700円くらいです。和牛の肉は1kg1万円以上します。栄養からみても食費からみても米は優秀な食材です。また一家団欒に鍋物などの和食は家族や仲間と共食しやすい食事です。

●食育・地域農業・水田・環境を維持
 日本の農業は規模が小さいといわれます。しかし、それが棚田や里山などの自然環境をまもってきました。また、こどもは稲をそだてて米を収穫するという体験からいのちの大切さを学び、食事の重要さに気付きます。環境に配慮した地域共生社会はこれからの少子高齢社会を支えるキーワードです。

●日本の食糧安全保障の土台
 日本の食糧自給率は4割を切っています。地球規模で異常気象や災害が起きているときに海外からの食糧輸入は停止する恐れがあります。米をまもって国民を飢えなく生き延びられるだけの食糧政策が必要です。地球温暖化にも強いのは米作です。国民の必要量を国産できることはなによりの安全保障となります。